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ひらくPCバッグレザーは革の発注ミスから生まれた限定商品!

ひらくPCバッグレザーは革の発注ミスから生まれた限定商品!カバン工場で何があったのか?
工場で何があったんですか?
本当に恥ずかしい話なんですが...。正直にお話しますと、間違って必要な量の10倍の革を発注してしまったんです...。
生地の単位が日本と海外で違うんです。海外ではスクウェアフィートという単位で、日本ではデシという単位なんです。1デシは10cm10cmで、1スクウェアフィートに計算する場合は、9.29をかけるんです。
革の単位はデシとスクエアフィート
工場から出て来た数字がスクウェアでなく、デシで来てたため、単位を間違えて、約10倍の発注をかけてしまったんです...。
そういうことはよくあるんですか?
聞いたことないです...。
わははは
言い訳するわけじゃないんですが...、通常はそんな単位で発注を頂くことないので、気づくんです。でも、ひらくPCバッグは長く売れてるので、みんながスルーしてしまったんです。普段より多い量でしたが、ひらくPCバッグならありえるかとみんなが思ってしまった。ただ、我々の見落としなのは間違いないです。
本当にバタバタしてて、チェックを疎かにしてしまってました...。ベトナムに革が着いた時に、「すごい量の革が来てる」、って連絡があったんです。明細を確認したら、0が1つ多いことに気づいて...。血の気が引きました...。
革がもうベトナムに入ってしまってるので、戻すことは難しいんです。工場の貿易ライセンス上、材料を行ったり来たりすることは、許されないんです。なので、ベトナムの工場であの革を使うしかないんです。
そういうお話だったんですね。
ちゃんとお会いして、ごめんなさいしようと思ってて、電話では詳細はお伝えしなかったんです。
穴があいてなくてよかったですね。
いや、パンチングの革もあります。日本でパンチング処理してからベトナムに送ってますので、パンチング処理済みしてる革と、してない革がベトナムにはあります。
パンチング処理してない部分ってありましたっけ?
取っ手部分です。
ここです。
ひらくPCバッグの取っ手の革の誤発注
この取っ手の革が大量にあるから、それでカバン全体を作るってことですか?
そうなんです。
カバンの革の引き手を誤発注
これ?
はい。
すごい!(笑)
今回はそういうお話なんです。我々のミスですので、工場の利益は計上せずに作らせて頂こうと考えてます。ただ数量は限定です。通常だと、日本から革を送ると関税もかかるので、現地で革を仕入れて作ることが多いんです。それが安く作るポイントなんです。
ベトナムやバングラデシュは革が盛んなので、そこからベトナムの工場に入れば、革のコストを抑えることができます。ただ、今回はそういう企画ではないので、日本の良い革をベトナムに送っているので、革が高いんです。ただ、できる限りのことはさせて頂こうと考えています。
会社では肩身が狭い感じなんですか?
もう開き直ってます。革を使う方法を考えようと思って。アイデアを出して。
開き直ってるわけじゃないですよね(笑)。前向きにね。
反省はしてます。すごくしてます!
トラブルメーカーなんですか?
いや、そんなことはないと思うのですが...。自分はすごく気にしていたんですけど、まわりがフォローしてくれました...。もちろん怒られましたが...。
金額がデカいですからね...。
会社が大きくてよかったですね。小さい会社だったらヤバかったですね。
ヤバイですね。金額がかなり大きいので...。ベトナムは高温多湿なので、基本的に必要な材料しか置いてないんです。金具も錆びたりするので、必要なだけ入れて。本体の生地や裏地も細かく管理してるんです。
革を寝かしておいても何にもならないですし。あまり長くおいてしまうと、悪くなってしまう可能性があるんです。そうすると処分するしかないので。
基本的に在庫を持つビジネスは、できるだけ材料も商品も持ちたくないんです。当然商品のほうが金額評価が高いですから、材料は早く商品に変えたいんです。材料はモノを置いてるだけなので価値がないですし、決算では税金がかかります。だから、会社の将来にもかかわってきますし、給与にも関わってきます。
まあ、本当に...、厳しい話...、なんです...。
わははは
商品名は、ひらくPCバッグミステイクですね(笑)。
わははは
でも、ミスがあったから、クオリティの高いバッグが安い金額で販売できるわけでしょ。
そう言って頂けると有り難いです。ひらくPCバッグは本当にたくさん売れてますので、実は社内では前から革の話はあったんです。通常の鞄でも生地で好評だと、カラーバリエーションが増えて、その後に、革バージョンを作るのは割と一般的な流れなんです。なので、これだけ人気あるなら、ひらくPCバッグのレザー版が欲しいお客様がいるんじゃないかという意見は出てたんです。
商品の完成度はどうなんですか?
自分たちで言うのも何ですが、むちゃくちゃ完成度は高いです。ベトナムの職人さんの技術も上がってきてます。革なので難しかったんですが、職人さんが頑張ってくれて、いいバッグができたと思います。
ひらくPCバッグのレザーバージョンの説明をする工場の方
同じバッグでも革で作るほうが難易度が高いんですか?
難しいです。オールレザーにすると、最後のまとめで、シワが入りやすいんですが、キレイにシルエットがでてます。どれだけ薄くするかも技術なんですが、仕上がったものを見て、キレイにできてたので、これはイケルと思いました。三角形の頂点はうまくできるか不安だったんですが、シルエットもキレイにできてます。
状況は分かりました。質の高い商品が安く販売できるのであれば、ぜひやらせてください。お客様にとって素晴らしいことです。
最後に1つ!トラブルは発覚した時、どんな心境だったんですか?
ひらくPCバッグの革を誤発注したカバン工場担当者
誤発注が分かった時、会社がザワついたんです。「アイツやってしまったらしいぞ。」みたいな雰囲気になって、社長に説明しに行ったら、笑っていて...。すごく怖かったです...。乾いた笑いで...。マジでマズイなと...。
「ひらくPCバッグ」と「ひらくPCバッグmini」のレザーエディションはこんな発注ミスから生まれたのでした!
そして、速攻売り切れてしまいました!みなさん、ありがとうございます!

幻のレザーエディションの商品詳細

ひらくPCバッグ レザーエディション ひらくPCバッグmini レザーエディション
ひらくPCバッグ レザー 商品詳細
今回のスーパーコンシューマー
いしたに まさき
いしたに まさき
ブロガー、ライター、WEBマーケティングアドバイザー。2011年アルファブロガー・アワード受賞。 Webサービス・ネット・ガジェットを紹介する考古学的レビューブログ『みたいもん!』運営。02年メディア芸術祭特別賞、第5回WebクリエーションアウォードWeb人ユニット賞受賞。共著に『ツイッター 140文字が世界を変える』(マイコミ新書)『クチコミの技術』(日経BP社)など多数。
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