大ヒットカバン「とれるカメラバッグ」のメンバーが新しいバッグの制作に取り組んだのは2011年8月。
MacBook Air13インチ対応の検討から始まったプロジェクトだったけど、1年間の試行錯誤の末に生まれたカバンは、「ひらくPCバッグ」。カメラバッグじゃなくてパソコンバッグになっちゃった。
スーパーコンシューマーの中谷です。
南です。
今日は、いしたにまさきさんに来ていただいてます!
はい、どうもー。いしたにです。久しぶりです。
暑いですねえ。真夏ですよ。
また夏ですね(笑)。
ほんまや!
えっ、とれるカメラバッグのプロジェクトが始まったんは夏でしたっけ?
そうそう。半袖やったやん。そうか。一年越しにこのメンバーが集まったわけか。
再び!
とれるカメラバッグを発売したのって2011年4月末でしょ。もう5ヶ月も経ったんやねえ。早いなあ。
南さん、どうですか。売れ行きは?
すっごい売れてます!
驚異的やんな。
ほんとに予想以上に売れてます。もっと作っておけばよかった(笑)。
だって、ずっーと売り切れですからね。
ええと、4月末に発売して、5、6、7、8月だから、4ヶ月間売り切れでしょ。
そうそう。ずっと売り切れです。
4月末に発売して初期ロットが4日で売り切れたでしょ。
あれは、ビックリしましたよ。南さんから連絡が入って、「もう売り切れました。」「えー」みたいな(笑)。
ちゃんと注文して買えたのは、発売して4日間の人だけですよ。
わははは。
あとは、つねに在庫待ち。
すごいよな。
商品が工場から届いたら、すぐ発送。その繰り返しですよ。カバン工場の人もすごい驚いてますよ。
予約注文は1ヶ月待ちとかやろ。
ちょっとあれな話ですけど、在庫切れになったのはよかったらしいですよ。
どういうことですか?
すぐ売り切れになるから、購入しても待たされるでしょ。
だから、入荷しました!って連絡がきたらテンションが上がるみたい。
それに毎月入荷されるから、毎月が発売日みたいなね(笑)。
あー、なるほど。
手元に届いたら、キターって思うから、買った人が嬉しくてブログに書いてくれるでしょ。
あー。なるほどねえ。予想外ですね(笑)。
それで、毎月あちこちからレビューがあがってきて、「一体なんなんだ、このバッグは?」ってなってたみたいなんですよ。各方面から記事があがってくると、気持ちが盛り上がってくるんですね。
なんかレアアイテムみたいになってましたもんね。オレは持ってるよみたいな(笑)。
僕は幕張やコミケでとれるカメラバッグ見かけたんです。
実際、カメラを使う現場ではとれるカメラバッグはやっぱり便利なんですよ。
僕も休みの日にこのカバンを使ってますけど、カメラをサッと出すと、「えっ、それはカメラバッグですか?」って言われるからね。そしたら、説明してね(笑)。
わははは。一生懸命やって結果が出て、本当に嬉しいですね。諦めなかったですからね。
まあ、確かにしつこかったね(笑)。
そろそろ、特別ボーナスが振り込まれてもいいと思うんですが。
わははは
えっ、特別ボーナス?
そんな話は不思議とないんです(笑)。不思議だなあ。
えっ・・・。
わははは。
中谷さん。今日の本題に入りましょうか!
わははは。
新しいプロジェクトのコンセプト
ええと、新しいプロジェクトを始めたいと思ってるんですよ。
とれるカメラバッグって、twitterとかブログとかいろんなところで取り上げていただいて、すごく反響があるでしょ。
その中で、要望として多いのが、MacBook Air13インチを入れたいという要望!
そうなんです。これはカメラバッグなので、カメラの使いやすさを重視して設計したわけじゃないですか。
ところが、割といろいろ入るので、普段使いにこのカバンを使う人が結構多いんです。
そうなったときに、やっぱり13インチも入れたいなっていう話がポツポツと出てきてるわけですよ。
最後の最後に、11インチを入れられるようにしたのにね。
そうそう。で、今回のプロジェクトでは、購入していただいた方々への感謝の意味も込めて、13インチ対応を検討してみようというわけですよ。
いろんな使い方の人がいて、カメラを入れない人もいるみたいですよ。
初代とれるカメラバッグのお客さんに満足して欲しい。
ボクらが考えていた以上に、いろんな使い方をされてますね。
そうなんです。で、実は13インチ対応を結構考えたんですよ。
何を一番優先しないといけないか。それをまず考えたんです。
ほうほう。
それで、やっぱりお客さんに満足してもらうことが大切だと思ったんです。
とれるカメラカバンが売れたのは、一眼レフカメラのユーザーが満足してくれて、レビューを書いてくれたからでしょ。
僕のコンセプトに共感してくれて買ってくれたお客様がガッカリするようなモノは作りたくないんです。
あー。初代ユーザーの方たちを後悔させたくないと。
そうそうそう。
新しいカメラバッグのほうがいいじゃん、ってなると、ちょっと申し訳ないでしょ。
初代を買ってくれた人も満足して欲しいし、新しいのを買った人も満足してほしい。
そういうバッグを作りたいと一番最初に考えたんです。
ほうほうほう。
そうすると、とれるカメラバッグをちょっと大きくしたバッグではないんです。
なるほど、サイズ違いを目指すわけではないと。
うん。それに、そのまま大きくすると、やっぱり横幅が大きすぎると思うんです。
カバンとしてね。
そうですね。ちなみに今日は2つカバンを持ってますけど、こっちのカバンは何のカバンなんですか?
これは普段使ってるお気に入りのカバンで、CHROMEというメーカーのメッセンジャーバッグなんです。
これは、背負うと縦長になるんです。
でも、前に持って来ると横になるんです。
あー、なるほど。
例えば、こういうやり方もアリだと思うんです。
このカバンはすごい気に入ってるんですが、弱点があって、ちょっと薄すぎるんです。
うーん、なるほど。
マチがちょっとだけなので、ミラーレスカメラを入れるとキツイくて、強引に入れないといけないんです。
なるほど。
薄いとれるカメラバッグ
で、「いや、オレはカメラ入れてないよ」って言う人もいるわけですよ。
なので、コンセプトとして、薄いとれるカメラバッグにしたいなと思ってるんです。
おっ、薄いっ!
わははは
なるほどなるほど。薄いが来ましたか!(笑)
でも、カメラはここに入れない。
えっ、カメラバッグじゃないってことですか?
いや。ミラーレスカメラ専用のケースを作って、ベルト部分に取り付けられるようにしたいんです。たとえば、こんなボックスのようにね。
おー、これに一眼レフカメラを入れるんですか?
いや、一眼はムリなので、ミラーレスカメラ前提で考えています。
はいはいはい。
そうすれば、初代とれるカメラバッグにも付けられて、新しい人も古い人も満足してもらえるでしょ。
なるほど。とれるバッグですね。
は?
カメラが入らないから、とれるバッグですよね。・・・。
笑
いやいや、これはセットなんです。だからカメラバッグなんです。
あー、なるほど。
こうすると、常に前にカメラがあるので、写真を撮るときに大きいPCを前に持ってこなくていいでしょ。
で、この手の小さいボックスも不満があるので、それもなんとかしたい。
こういうのって位置がズレたりして、意外と自由度が低いんです。
これだって、こんなに大きいのに。高さも幅も足りないんです。
ていうか、このボックスは何なんですか?
これはレンズケースなんです。
でも、こんなに大きいのにミラーレスが入らないんです。
おかしくないですか?(笑)。絶対入ると思ったら、入らなくて呆然としましたよ。
なるほどなるほど。
だから、ミラーレスがしっかり入って、自分のいいところで固定できるようにしたいんです。
そしたら、とれるカメラバッグのベルトに取り付けたら、コンデジは前にあって、必要なときは一眼を出すみたいな使い方もできるわけじゃないですか。
だから、初代とれるカメラバッグを持っている人だけには単品販売できたらと思ってるんです。
なるほど。
ということで、初代とれるカメラバッグのカタチは参考にならないので、1からカタチを考えないとダメですね。
わははは。別物ですもんね。
ええと、カバンに入れるものとして、MacBookは大きくなって、カメラは小さくなるということですよね。
そうそう。だから、薄いとれるカメラバッグなんです。
んー、なるほど。
やっぱり13インチサイズのカバンを背負ってるときに、前に持ってきて、本体を開けるのは無理があると思うんです。
写真を撮ると考えると難しそうですね。
そういう意味では、本体は13インチがキャリーできるバッグなんですね。
そうそう。そして、なおかつ、薄い。
若干、乱暴ですが、とれるカメラバッグを2つ背負ってもらってもいいと思うんです。
わははは。
前と後ろにね。前には初代とれるカメラバッグ。後ろに新しいバッグですね。
でも、実際いしたにさんは、この2つのカバンを背負って今日来ましたもんね。
薄いと大丈夫なんです。
じゃ、撮影のときは、僕がこれを2つ背負って、どや顔したらいいんですね(笑)。
わははは。もう撮影の心配なん。
ちなみに、これは、MacBook Air13インチ前提なんですか?
そこはね、悩みどころですね。
んー。
まあ、でも、13インチが入ったら結構ウインドウパソコンも入るんじゃないですか。
そうですね。薄くするといっても、ACアダプターとかを入れることは想定しないとダメですから、多少の厚みは必要ですしね。
なるほど。
だから、今回の勝負はこの小さなミラーレスケースだと思ってるんです。
コンデジやミラーレスカメラが取り出しやすく、なおかつ、ベルトにちゃんと固定できる。しかも動かせる。
リュックの前にタバコ入れるところあるでしょ。あんな感じですよね。
僕は、デジカメを首からぶら下げるのは好きじゃないんですよ。
カッコ悪いし、ずっと下げてたら当たって痛いでしょ。
うんうん。旅行とか行くと、ターゲットにされたりもしますからね。
でも、これだったらいいですね。カメラにすぐアクセスできるように、小さいとれるカメラバッグが前に付いてる感じですよね。
ああ、そういう言い方もできますね。
前にあるから、小さければ小さいほどいいんです。
そうですね。
自転車に乗るときに、メッセンジャーバッグを使うんですが、
信号待ちのときとかに、モノを出すと結構時間がかかるんです。
だから、アクセス頻度が高いものが前にあったらいいですね。
で、後ろにはすぐに取り出さないモノを入れておくパソコンバッグ。
そういうコンセプトですよね。
そうそう。
うん。とれるカメラバッグを薄くするっていうのはいいですよ。
僕はサラリーマンやったときに、手ぶらがよかったんです。
手ぶらやったら、新聞も本も読めるから。
定時にこっそり帰ることもできるしね。笑
そうそう(笑)。だから、カバンを持ってるときも、斜めがけが好きなんですけど、分厚いカバンを斜めがけすると、後ろが分厚いんです。
電車で背中に大きいものを背負ってたら邪魔になるでしょ。
だから、薄くて体にフィットするカバンがあったらすごいいいと思うんですよね。
そうそうそう。
そうしたら、やっぱりこのミラーレスケースがキモやね。
ミラーレスを入れるとまあまあデカくなるでしょ。
前にあっても違和感ないカタチを考えないとダメですね。
ミラーレスカメラのケース
それで、何となく、巾着型がいいんじゃないかなと思ってるんです。
そうすれば、紐で絞ればサイズ調整が可能でしょう。
そうじゃないと、カタチの融通が聞かないんです。
これですら入らないですから。
うーん。でも、とれるカメラバッグのメリットは、すぐにカメラが取り出せるところでしょ。
巾着は袋状なので出し入れが片手じゃできなくて、使いにくくならないですかね。
ええと、たとえば、下側はカチッとしてて、上だけ巾着にするとか。
全部を固くしてしまうと大きさに制約がでちゃうので。
あー、最低限のところだけカチッとしてて、それ以外の部分を巾着で可変にするんですね。
そうそう。
左右はリスです。リス。
あ、リス。ひまわりの種を一杯食べたときのほっぺたですね(笑)。
ふふふ。
カメラっていろんなカタチがありますけど、要素はだいたい同じなので、固定する場所と変動する場所を分けてカタチを考えることはできるかもしれないですね。
そうそう。液晶部分は平面で、その反対側のレンズ部分が長さが変わるんです。
そして、液晶やレンズをしっかり保護してあげたらいいと思うんです。
それだったら、コーン状がいいんじゃないですかね。メガホンみたいな。
あー、それもいいですね。
ちなみに、ミラーレスカメラやったら、そんなに大きくないから本体にも入るんですよね?
んー、それがね、カバンに入れると意外に大きいんです。だから、本体カバンのサイズ次第ですね。
(南さんが図を描く。)
おっ、図を描くようになったんや。
はい。描きますよ。僕はケースは固いほうがいいと思うんです。
とれるカメラバッグはホールドされているのが便利なので、ただの袋になるのはちょっと違うと思うんですよ。
だから、せめて下はしっかりしてるほうがいいと思うんですよね。
じゃ、T字は固く作るって感じですね。
なんか、ふんどしみたいになってますけどね(笑)。
うん、これだったらレンズの先がピタッとハマるでしょ。
そしたら、レンズが痛まない!
なんで、ちょっとドヤ顔なんですかね(笑)。
わはは。くせになってる。
違う、みんなが言うからですよ。普通の顔しててもドヤ顔って言われますもん(笑)。
あと、自分の最適な位置に移動できるようにするのはすごい大事だと思うんです。
そうですね。腰に付けたい人もいるやろうしね。
そうそう。それに、カバンを斜めがけするから、普通にベルトループに通すとダメでしょ。
斜めがけしてる紐に通しても、いい場所、いい角度にできる工夫が必要ですよね!
うんうん。
やっぱりちょっとドヤ顔なんだなあ(笑)。
わははは。ええ事を言うたって思ったときは、ドヤ顔するんですよ(笑)。
言うたった!みたいな(笑)。
オレ、分かってるぞ。みたいな(笑)。
わははは。
いや、でも、これはいいと思います!
ある意味、これは、超ちっちゃいとれるカメラバッグですよね。
ああ、そうですね。その名前いいかも。
とれるカメラバッグにも取り付けれますもんね。
とにかくそれをやりたいんですよ。
最初に買ってくれた人たちも、満足できるモノが作りたい!
今後の進め方
ええと、カバン工場の人と相談するときにどこまで決まってる必要あるん?
やっぱり形状ですね。
でも、まだ工場にサンプル依頼するのは早いですよ。
もうちょっとカタチを詰めていったほうがいいと思います。
じゃ、図面を書く?
前はどうやったっけ?
前はホワイトボードに3面図を書いて、分からなくなってダンボールで作ったんです(笑)。
そうかあ。じゃ、今からダンボールで作ります?
いま?いまからやれるの?
あ、そうか。ダンボールがないですね・・・。紙でやるか。いや、まず書きましょうか。
ええと、進め方としては、図面を書いて、ダンボールってことね。
そうですね。
でも、このミラーレスカメラケースのカタチは結構決まりましたよね。
メガホンみたいなカタチですもんね。
アイスクリームコーンの下が尖ってない感じね。
そうそうそう。
あのー、ちょっと心配してるのは、それってカッコ悪くない(笑)。
わははは。
確かに・・・。それは怖いですね・・・。
メガホンみたいなんを腰や胸につけるわけですからね(笑)。
(うーん。)
「なに付けてるの?」って絶対言われそうですね(笑)。
そうやろ。だからさ、円錐、円柱、四角パターンとか全部作ってみようや。
円柱?
そうそう。尖ってないとあかんわけじゃないでしょ。
確かに、前回も最初はカメラのカタチに合わせて三日月って言ってたけど、ダンボールで作ったら四角になってましたからね。
そうそう。前回はカバンの中の形状でカメラにフィットするようにしたわけでしょ。ベルクロでね。
あ、そうか。
小さいと言うても、デカくなるやろし。作ってみて、サイズやカタチを確認するんがいいんちゃう。
そうですね。
じゃ、今回はカバンのコンセプトの確認はできたので終わりましょうか。
次回は、各自がカタチのアイデアを持ってくるのが宿題。そして、みんなでブラッシュアップして、ダンボール制作に繋げましょう!
はい。オモシロイコンセプトのカバンだと思います。これはカタチにしましょう!
はい。お疲れさまです!